名ばかり事業主の「労働者性」確立を

雇用契約を結ばず業務委託契約を結んで労働者を事業主扱いする
いわゆる「名ばかり事業主」が増加しています。

しかし、労働者性をめぐる裁判は、ここのところ負け続き。
労働の実態があるにもかかわらず
「名ばかり事業主」の労働者性が否定されてしまう不当判決が続いています。

2006年にはILO(国際労働機関)でも
「偽装された雇用」(偽装雇用)として取り上げられ、
「雇用関係に関する勧告」(198号)が日本政府も賛成して採択されました。

勧告は「偽装された雇用関係に対する対策を講じること」などを
加盟諸国に求めていますが、残念ながら我が国の国内法令は整備されておらず
「名ばかり事業主」(偽装雇用)は放置され、拡大する一方です。
トラック運転・建設・IT関連・保険外交・家庭教師・営業などなど。

1)労働・社会保険料コストの削減
2)有給休暇コストの削減
3)最低賃金・時間外割増賃金の不払い
4)解雇規制の回避
…などのニーズで偽装雇用は拡大しています。

ジャノメミシンの伊藤さん(40代・男性)がまさに「名ばかり事業主」。
営業社員と同じように朝礼に出て労働時間管理され指揮命令を受けているのに、
「委任販売員」と呼ばれ、事業主扱いです。

雇用保険も社会保険も未加入で、月収がわずか8000円のときもありました。

伊藤さんをはじめとする「委任販売員」を中心に
ジャノメミシン直営店ユニオンを結成し、
雇用保険や社会保険を認めさせる闘いを展開しています。

しかし、ハローワーク・年金事務所・労働基準監督署における
「労働者性」の判断がまちまちで、
社会保険に加入したがすぐに喪失手続きを取られたり、
有休など労働基準法が適用されている委任販売委員と
適用されない委任販売員がいたりする始末。
大変な苦労を強いられています。

労働者性の判断基準を確立し、労働者と同じように働いているのに
事業主扱いされてしまう「名ばかり事業主」をなくしていくことも極めて重要な課題です。

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【関連リンク】
・国際労働基準-ILO条約・勧告一覧
 http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/list.htm
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有期雇用をいかに規制すべきか

6ヶ月契約を20年以上更新して切られた契約社員、28年更新して切られた派遣労働者…。

業務は恒常的にあるのに雇用は有期契約を反復更新して
いつでも切り捨てられるようにしておく「細切れ雇用」の規制は極めて重要な課題です。

大学の就職課の方と懇談したとき、こんな話を聞かせてもらいました。

「新卒女子の事務職での就職はほとんど契約社員しかありません」。
そういって見せてもらった大手商社の募集要項には
「1年契約の契約社員、3年を上限に更新する」と記載されていました。
「どこの会社も同じことが書いてあります」とのこと。

いわゆる「25歳定年制」です。
有期雇用規制を考えるとき、こうした新卒女子の劣悪な就職状況の救済を
必ず念頭におかなければなりません。

現在、議論されている有期雇用の規制方法は概ね以下の3つです。

1)入口規制…
   合理的理由のない有期雇用を禁止する
   不合理な有期雇用は期間の定めのない雇用とみなす
2)出口規制…
   例えば2年以上または3回以上更新したら期間の定めのない雇用とみなす
3)中間規制…
   有期雇用で働く労働者と期間の定めなく働く労働者を平等に処遇する(均等待遇)

「25歳定年制」のような理不尽な採用や
公務職場などに広がる「2年11ヶ月雇用」などをなくしていくためには
「入口規制」が必要です。
5年・10年と反復更新して働く非正規労働者を救済するためには
「出口規制」が必要です。
もちろん「中間規制」(均等待遇)も重要。

不安定雇用だらけの現状を改善するために、
有期雇用規制も急がなければなりません。

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東大に公開質問状

派遣法改正に反対する事業主寄りの偏ったアンケートを行った東大社研などに対して
24日、「公開質問状」を提出しました。

提出したのは「労働者派遣法の抜本改正を求める共同行動」。
提出した相手は東京大学総長、東大社研所長と人材フォーラム代表(佐藤博樹教授)です。

質問の内容は
「製造派遣禁止に関する評価などを明らかにすることを調査目的としながら、
 製造派遣原則禁止に関する派遣法案の内容を説明せず、
 あたかも製造派遣禁止で失業するとの印象を植え付けて
 アンケートを行ったのはなぜか」
「質問や選択肢が製造派遣禁止反対を誘導しているのはなぜか」
など。

東大、東大社研の研究機関としてのあり方が問われています。

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【関連リンク】
・東京大学社会科学研究所
 http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/

・人材フォーラム研究成果報告(東大社研ウェブサイト内)
 http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/jinzai/output4.htm

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東大社研「派遣社員・請負社員アンケート」批判

派遣法改正に反対する派遣業界に偏ったアンケート調査の実態
派遣労働者も派遣切り被害者も派遣法改正を望んでいます


東大社研(東京大学社会科学研究所)「人材フォーラム」が発表した
「製造派遣禁止に反対の労働者が多い」とする調査結果に疑問の声が上がっています
(「請負会社・派遣会社の生産現場で働く人々の働き方とキャリア意識に関する調査」)。

大半の派遣労働者や派遣切り被害者が
登録型派遣の原則禁止やみなし雇用制度創設などを内容とする派遣法改正を望んでいるのに、
人材フォーラムの調査は、派遣労働者に「派遣法改正は失業を招く」との誤解を与え
「派遣法改正に反対」との回答を誘導しているからです。

今回のアンケート調査の疑問点をいくつか列挙します。

1.政府が国会に提出している派遣法改正法案は
 製造業務における登録型派遣を禁止する一方、
 常用型派遣を今までどおり存続することとしています。

 したがって、
 「製造業務で派遣社員として働くことができなくなる」ことを
 前提とする設問(問26など)は、そもそも前提が間違っています


2.「問26」は、以下のとおり、派遣法改正法案の内容とは異なる
 「製造派遣禁止」を前提としており、
 「派遣法改正によって失業する」と強く印象付ける内容となっています。


問26 もし今後、労働者派遣法が改正されて製造業務で派遣社員として働くことができなくなったとしたら、あなたが失業する可能性はどの程度あると思いますか。

 1)かなりある
 2)ある程度ある
 3)あまりない
 4)まったくない
 5)わからない


中立的な立場に立って
製造派遣の登録型禁止と派遣労働者の今後の雇用について質問するのであれば、
以下のような設問にすべきです。

問26 もし今後、労働者派遣法が改正され、製造業務においては、登録型派遣が禁止され、常用型派遣のみが存続することになったら、あなたの雇用はどうなると思いますか。

 1)派遣先の直接雇用に切り替えられる
 2)常用型派遣に切り替えられる
 3)請負契約に切り替えられる
 4)失業する
 5)わからない


3.問29は「製造業務での労働者派遣を法律によって禁止することについて
 あなたは賛成ですか、反対ですか」と質問しています。
 しかし、前述のとおり、派遣法改正法案は
 製造業務での労働者派遣について登録型派遣を禁止し
 常用型派遣に誘導するものです
から、
 この質問は派遣法改正法案とは全く異なる内容について尋ねているものと
 解釈せざるを得ません。
 しかし、調査目的においては
 「労働者派遣法改正による製造派遣禁止に関する評価などを
 明らかにする」としており、支離滅裂です。


4.データの読み方が間違っています。

1)数年後に希望する働き方では、「47.4%」が正社員を希望しているのに、
 「当面では正社員希望は少ない」が見出しになっています。
(図表12)
 「今の請負・派遣会社の製造現場の管理者やリーダー」や
 「今の請負・派遣会社の営業所や本社スタッフ」など
 「正社員」を想定して回答しているものを加えると
 「55.6%」の派遣労働者が正社員を希望しています。
 一方、請負・派遣社員を希望するものは「6.1%」しかいません。

2)調査結果では、働いている工場で正社員として採用する提案があった場合
 「76.2%」(図表13)が「応じる」、
 有期契約社員の提案でも「63.5%」(図表14)が「応じる」と答えており、
 直接雇用を望む声が圧倒的に多いことを示しています。

 ところが、コメントでは「採用提案を断わる者の比率はそれほど高くない」と記載され、
 直接雇用を望む声が圧倒的に多いことには触れていません。

3)全体的に、派遣という働き方に否定的なデータや正社員を望むことを示すデータには触れず、
 派遣という働き方に肯定的なデータを強調しており
、中立的な調査結果とは言えません。

5.人材フォーラムの目的もメンバーも中立性がありません

 人材フォーラムは、そもそも派遣会社・派遣先企業(「ユーザー企業」)と研究者の
 交流の場を設けることを「目的」としており、派遣労働者の立場はありません。
 メンバーも研究者と派遣会社、派遣先企業により構成されており、
 労働者(または派遣労働者)を代表するメンバーは含まれていません

 また、人材フォーラムは
 スタッフサービス・ホールディングスなどからの多額の寄付で運営されてきた
 「人材ビジネス研究寄付研究部門」を引き継ぐものとして開設されたものです。

6.業界団体・派遣会社経由のアンケートに本音で答えられません

 今回のアンケート調査は、「製造派遣原則禁止に反対」を表明し、
 また「製造派遣を原則禁止すると失業が増える」と公言している
 「日本生産技能労務協会」に加盟する企業を経由して行われており、
 中立的な立場で行われたものということはできません。
 ましてや、アンケートを配布したのは
 2008年秋から2009年春にかけての一斉派遣切りによって
 派遣労働者の仕事と住まいを奪った製造派遣会社です。
 派遣労働者が本音を答えられるアンケートではありません。

7.派遣切り被害者の声が反映されていません

 製造業の派遣切りで多くの派遣労働者が仕事を奪われた中、
 派遣で働き続けることができた人たちがアンケートの対象となっており
 派遣切りされて仕事を失った人たち、
 今なお失業に苦しんでいる人たちの声は反映されていません。

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【関連リンク】
・東京大学社会科学研究所
 http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/

・人材フォーラム研究成果報告(東大社研ウェブサイト内)
 http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/jinzai/output4.htm

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「未払賃金立替払制度」廃止?

「会社が倒産!最後の数ヶ月の賃金が未払い…」という相談は少なくありません。
未払い賃金を支払わせようにも、すでに会社はなし。
労働者は賃金不払いが数ヶ月続いて生活破綻寸前です。

こんなとき、倒産した会社の労働者を保護するつよ~い味方があります。
未払い賃金を国が立て替えて払ってくれる「未払賃金立替払制度」です。
倒産で路頭に迷った労働者がこの制度で救済された例は数知れず…。

ところが、事業仕分けでこの制度が「原則廃止」とされてしまったのです。
「賃金の支払の確保等に関する法律」(賃確法)に基づく制度ですから、
法改正もせずに事業仕分けで廃止できるはずはありませんが、
本当に廃止されてしまったら大変です。
雇用と生活破綻の間にあるセーフティネットがまた一つ失われてしまいます。

絶対「未払賃金立替払制度」をなくしちゃダメです!

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厚生労働省:未払賃金立替払制度の概要
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/tatekae/index.htm

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tag : 賃金 未払賃金 未払賃金立替払制度 事業仕分け 厚生労働省

ハローワークでも年齢差別容認?

以前、求人サイトの年齢差別の話を書いたら、こんなメールが寄せられました。

「年齢差別はハローワークの求人にも横行しています。
 求人票には『年齢不問』としていながら、
 紹介状を発行してもらおうとすると、ハローワークの担当者に
 『この会社は35歳以下しか採用していない』と言われ、
 紹介状が発行されないことが何度かありました。
 苦情を言うと『求人票に年齢不問としていれば
 実際に年齢制限をしても問題ない』と言われる始末です」。

けしからんなぁ。

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tag : 就職 ハローワーク 差別 就業差別 雇用

12/4,5 派遣切りホットラインのお知らせ

年末の極寒の中、派遣労働者が一斉に仕事と住まいを奪われた
「派遣切り」から2年が経過しようとしています。
そしてまた年末が近づいています。

2年前の「年越し派遣村」開設のきっかけとなった
「派遣切りホットライン」を今年も開設します。
12月末派遣切りの解雇予告が通告されるタイミングにあわせて年末1ヶ月前の開設です。

派遣切りホットライン
 日時: 12/4(土)・5(日) 10:00~20:00
 主催: 全国ユニオン
 電話: 050-5808-9835(首都圏)

首都圏の相談会場はユニオン運動センター(UMC)です。

【派遣切りホットライン学習会】

上記、派遣切りホットラインへ向けて学習会を行います。
ぜひご参加ください。

派遣切りホットライン学習会
 日時: 12/1(水) 19:00~
 場所: ユニオン運動センター(UMC)
   (渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F)
 内容:
    1)派遣・偽装請負の仕組み
    2)雇い止めとの闘い方
    3)雇用保険の基礎知識
    4)生活保護申請の実務
    5)住居を奪われそうになったら…

theme : お知らせ
genre : その他

tag : 労働相談 ホットライン 派遣切り 派遣 雇用 非正規雇用

派遣は年齢で差別されている

派遣で働いていたが最近全く仕事がないという女性(50歳)から相談がありました。

「派遣会社に年齢で断わられて困っている。
 求人サイトでも案件はたくさんあるのに、
 自分のプロフィールに年齢を入れて検索するとほとんど引っ掛からない。
 実際より若い年齢を入れるといっぱい引っ掛かるのに…。
 年齢差別をなくしてほしい」。

雇用対策法で年齢制限が禁止され、
また派遣法でも派遣先が「35歳以下」などの注文を付ける特定行為を禁止していますが、
求人サイトで年齢を入れて検索してみれば「年齢差別」は一目瞭然です。

試しに「@ばる」という求人サイトで検索してみました。

「25歳・女性・長期・派遣・東京23区・一般事務」だと「424件」ヒットしますが、
年齢を「50歳」にすると「9件」しかヒットしません(2010.11.15現在)。

スキルを生かして働くという建前とは裏腹に年齢で差別されているのが派遣の現実です。

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@ばる
http://haken.val.ne.jp/h_user/jsp/toppage

theme : 派遣
genre : 就職・お仕事

tag : 派遣 非正規雇用 差別 年齢 雇用

11/17 ハローユニオンのお知らせ

派遣スタッフの情報交換会です。

次回のテーマは
「派遣切りから2年」
「派遣法が改正されると失業が増えるってホント!?」
「派遣労働者は派遣法改正に反対?~東大社研アンケートの嘘」
「派遣トラブルホットラインから見えてきたこと」などです。

派遣で働く人も派遣に興味がある人もご参加ください。

ハローユニオン
 日時: 11/17(水) 19:00~
 場所: ユニオン運動センター
    (渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F)

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genre : 就職・お仕事

tag : 派遣 非正規雇用 雇用 派遣法改正 派遣切り

安過ぎるAPECの同時通訳派遣

APEC(Asia-Pacific Economic Cooperation)の同時通訳は、派遣の募集で時給2,000円。
同時通訳の仕事の過酷さを知っている人だったら度肝を抜かれる安さです。

同時通訳の一般的相場は1日8時間拘束で5万円程度。
時給に換算すると約6,000円です。
ということは、APECの同時通訳の仕事は、相場の約1/3。

派遣の時給相場が一般の相場よりも安くなってしまうのは、
派遣会社がマージンを抜いているからばかりではありません。

派遣は労働力を商品として扱うため、市場にさらされて買い叩かれやすく、
結果として労働者を直接募集するときよりも低い単価が設定されてしまうのです。

入札などはその最たるもので、
官公庁や自治体などの派遣労働者の時給相場が
民間企業で働く派遣労働者よりもさらに低い時給相場となっているのはそのためです。

それにしても、相場の1/3というのは安すぎる…。

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genre : 就職・お仕事

tag : APEC 通訳 派遣 非正規雇用 雇用 時給 ダンピング

プロフィール

Author:派遣ユニオン
雇用形態を問わず、一人でも入れる労働組合・派遣ユニオンのブログです。

TEL: 03-5371-8808
FAX: 03-5371-5173
E-mail: sekine(at)zenkoku-u.jp
Address: 渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F

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